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PineiderとGUCCI
2011.09.21



1774年の創業で歴史と伝統のあるPineider社ですが、同じフィレンツェの地にあってGUCCI社のほうが早くから世界展開に成功して規模の拡大が進みました。 1921年創業のグッチがグローバルに打って出たのは2代目のアウロの時代です。3代目でお家騒動となって現在ではグッチ家は1%も株を持たずフランスの企業が 運営していますが、実はこのグッチ家の騒動にピネイダーも翻弄されています。ピネイダー家が交流していた凄腕経営者のアウロ・グッチとの業務提携が進み、 ピネイダー家はピネイダー社株をグッチ社に売却し社の拡大を模索しました。ところがグッチ家2代目アウロの投獄や3代目マウリツィオの殺害事件などでグッチは没落。 アラブ経由でグッチ株はフランスのRRP社に渡りますが、GUCCIブランドはここで有名デザイナーのトム・フォードらを迎えファッション界に復活しました。 実はピネイダーも同じ船に乗っていました。ピネイダーは規模こそ小さいながらも、純イタリアの素材でイタリアの高級職人らによってものづくりが 長い年月行われてきました特別な会社です。その強い思いから5年前にイタリア資本がフランスから買い戻したのが今のピネイダー社なのです。 グッチ創業者のグッチオ・グッチには孫が4人いて、そのうちの1人のロベルト・グッチは「ハウス・オブ・フローレンス」を立上げ、 健気に「グッチ」を表記できずとも高級バッグを作り続けています。同様にピネイダー株を譲渡してしまったピネイダー家が今はどうしているのか気になり調べたところ、 なんとポンテ・ヴェッキオを渡ったところの一等地で文具店を経営されていました。「PINART」という店名で、グッチと同様「ピネイダー」を表記せずにたくましく。 ここで現経営陣に厳しく叱咤激励をしているとのこと。 イタリアで復活したピネイダー社の今後に期待すると同時に、日本の皆さんにこのブランドの世界観を一人でも多くの方にお伝えせねばと気合が入ります。